資産状況の把握と整理
老後の計画を立てる上で、まず現在の資産状況を詳細に把握することが重要です。普通預金や定期預金、株式、保険、不動産、ローンなど、すべての資産と負債を一度リストアップしましょう。
例えば、住宅ローンの残高や生命保険の解約返戻金、不動産の評価額など、具体的な数値を明確にすることが大切です。
この「資産の可視化」によって、老後に向けた具体的な対策が見えやすくなります。
老後資金の健全化
次に取り組むべきは資産の健全化です。年金がいつからどれだけ受給できるのか、住宅ローンの残債を退職金でどれだけ返済できるのか、夫婦の老後資金として1,500万円が十分かどうかを確認しましょう。
このように具体的な計画を立てることで、必要な資産と不要な資産が明確になり、老後の漠然とした不安が少しずつ解消されていくでしょう。
シンプルな生活の実践
「資産の棚卸」が終わったら、次に「マネーの断捨離」を行いましょう。
月々の固定費(住居費、水道光熱費、保険料、通信費)や日常生活費(食費、日用品、衣服、理美容費、交通費、レジャー費、交際費、おこづかい、その他雑費)を洗い出し、支出の内訳を把握します。これにより、老後の生活をどのように縮小すればよいかが見えてきます。
若者に学ぶ「持たない文化」、つまり家や車を必要に応じて借り、最小限の物を所有し、シェアすることで、よりシンプルで気楽な生活を実現しましょう。
幸せな老後に必要なものは?
介護費用は一人平均550万円かかると言われています。良質な介護を受けるためには、介護支援専門員であるケアマネージャーに相談することが重要です。
ケアマネージャーはケアプランを作成し、デイサービスとの連絡や調整を行ってくれます。自治体の介護保険課や地域包括支援センターで紹介を受けることができます。経験豊富なベテランから新人までいますが、以下の点に注意して選びましょう。
1. 知識が豊富で情報量が多い
2. 気軽に話せて質問に丁寧に答える
3. 担当利用者が20人以下である
4. デイサービスや施設の選択肢が多い
5. 口コミの評判が良い
選んだケアマネージャーに不満があれば、自治体の窓口に相談して変更することも可能です。
家族や友人との関係
老後資金の計画が立てば、それは大きな成功ですが、その前に取り組むべき重要なことがあります。
それは、家族や友人との関係を築くことです。良い老人ホームに入っても、家族のサポートは必要ですし、頼りになるのは近くの友人や知人です。同期や古い友人も年を取ると共に亡くなっていくことを考えると、親戚との関係も重要です。冠婚葬祭だけの付き合いではなく、日頃から信頼できる関係を築いておきましょう。
何より夫婦の関係が良くなければ、お金も貯まらず無駄が増えるだけです。二人で将来のことを話し合い、節約を楽しみながら生活することで、本当に豊かな老後を迎えることができるでしょう。
人生100年時代の資金計画
人生の未来は予測不可能ですが、備えがあれば心配は減ります。現在の生活に忙殺され、将来を見据える余裕がないこともあるでしょう。
しかし、お金は失うのは一瞬で、貯めるには長い時間がかかります。日本人の一般的なライフステージにおけるお金の出入りを時系列で見てみると、我々が休む間もなく働いていることがわかります。
青春時代に子育てを考え、仕事が充実している壮年期に老後を思うことは、実は安心への最短ルートです。社会制度の変化や災害などの不確定要素がある中でも、最悪の事態を想定しておくことで、恐れずに済むでしょう。
人生100年時代を生きるということは、戦後直後の人々の2倍の人生を生きることを意味します。成人してから60年間は常に先を心配し、静かな日々が訪れる老後の20年間を迎えるのです。
人生100年時代を見据えた老後の資金計画
将来の不安を解消するためには、計画的な資金管理が不可欠です。
この記事では、資産状況の把握、老後資金の健全化、生活のシンプル化、介護の備え、そして家族や友人との関係の重要性について詳しく解説しました。人生100年時代を見据え、今から準備を始めましょう。